ある日、12基の宇宙船と宇宙人が地球にやってきた。
彼らは敵か味方か。
言語学者である主人公の仕事は、謎の宇宙人との交信し、彼らが何故地球にやってきたのかを解明することだった。
宇宙人にやたらビビる人類やら、お決まりの人類同士の争いやら。
要素だけ聞けば、一つ味付けを間違えれば大駄作になりそうな要素ばかりだが。
今作は切り口が新しく、コミュニケーションに重きを置いている点が特筆すべき点だと思う。
実際に作中では、理解できない相手と向き合う時に”言語”や”文字”というツールをどのように使用するか。その本質はどういったものかといった部分に焦点が当たっていた。
それにより、我々が普段何気なく使用しているコミュニケーションツールが日常でどういった役割を果たしているか、概念の共有の難しさを体験できる。
これは懐かしい感覚だ。
言語感覚がある程度発達し、社会的に意味合いの固定化された語彙群ばかり使用しているとついつい忘れそうになるが、自分以外の脳に自分の想像と同じものをイメージさせるというのは難しいことなのだ。