ゴジラの逆襲(1955)を観た。
前作の空前絶後、その破壊的なまでのヒットを受けて急遽作られた作品らしい。
今度の舞台は大阪だ!
ゴジラ……一年も経たずに再上陸! 暴れ狂う!
……早すぎない?
1955年なので、当然映像は白黒である。
時代的はまだ戦後10年。国もゴジラも発展途上。
前作もそうだったけど、やはり戦争映画の流れを汲んでいるように思える。
敵が人間ではない前提条件からして非対称な戦争。
今作には、2匹目の怪獣ことアンギラスが登場する。
立ち上がるとじめん/ドラゴンっぽい見た目で、ゴジラと組み合いながら大阪の街を(余波で)破壊しまくる。
人の存在など端から目に入っていないかのようにノーガードでインファイトを繰り広げるものだから、そのあおりを受けて必死に右往左往する豆粒のような人間達からは何とも儚い命の輝きを感じざるを得ない。
テレビ(ラジオ?)からは
「ひとたびゴジラの暴れ狂うとき、わたくしたちはまったく無力であります」
との声。
なんとも自嘲的かつ自戒的ではなかろうか。
当時を生きていないので、生の雰囲気は分からないけれども、戦後というのは、人間という生き物の小ささを身に染みて思い知らされた時代だったのだろうか?
しかし……前作もそうだけれども、今作も”科学”という人類の叡智の光と闇が作品のテーマだった気がする。
元はといえば兵器の実験から始まった一連の騒動を、最終的には兵器で解決しちゃうんだから、この戦いは構造的に終わることがないと思う。
あと、気になったところはいくつもあったけれども、
…………昔の無線ってほんとに「了解了解」なんて言ってたの?