透明日記@99℃

雑にテキトークするブログ、ほぼ蒸発してる

Zガンダム(TV版)最終話まで観ました

Zガンダムを最後までちゃんと観ました!

このアニメ、思った以上に大人たちが情けない感じでいいですね。

 

カミーユが大人だ子供だ、と異常に拘っているのは理想と現実の大人観の乖離が原因に見えました。

血縁の父母も情けない姿しか見せていないですし。誰も手本なんか見せちゃくれない。

たしかにあんな家庭環境で育ったなら、いい歳して黒服を着て粋がってるティターンズなんて特に目の敵にしても納得ですね。

カミーユの心情に寄り添ってみると、なかなか酷な人生を送っているので可哀想な部分もありますけれども。

 

やっぱり、一般的に大人のイメージって子供から見たら庇護者であり目標であるはずです。

たとえその幻想が事実でないとしても、幻想を守る努力だけはするべきかなと僕は思います。国家が国民を守らず、親が子を守らない時代がくれば、自分を守るために誰もが武器を持たねばならない時代が来てしまいます。幻想は必要なんです。

宇宙世紀というのはそういう時代で、カミーユにとっては、ダメな大人達の作り上げた世界と渡り合うためには武器が必要だった。

それがガンダムマークIIであり、ゼータだったんだろうなと思います。(私見

ベルトーチカからアムロマークIIを譲れと言われたときも、多分そういう拘りがあったんじゃないかな?と思って見ていました。

この場面、多分アムロから直接席を譲れと言われても譲らないと思いますね。コックピットに立て篭りでもするんじゃないかな?

 

しょっちゅう対立やら喧嘩やらしているピンボール球みたいなカミーユですが、クワトロに対しては特に突っかかっていますね。

 

父親がわりの大人候補としては、ブライトとクワトロかな、と思いますが。艦長にはそこまで反発した印象がないにも関わらず、クワトロは3、4回カミーユに殴られていたような気がします。

クワトロがうまくカミーユをコントロールできなかった理由は、シャア自身の生い立ちの状況の過酷さが原因かもしれません。

奇しくもエマがカミーユに言った。

カミーユは本能的に私のことを好きですもの。自惚れで言っているのではなくってよ」

の後の母が云々〜(うろ覚え)

これは、シャア本人の人生の課題でもあるのですよね。名前、家族、友人を捨てて、嘘で塗り固めても生い立ちだけは最後まで捨てられなかった彼。

ジオン・ダイクンの遺志を継ぐ〜、やらザビ家が〜、と度々口にしていることからも根深いものを感じます。まあ、そのあたりの情が残っているからこそキャラとして魅力的ともいえますが……。

ゼータのシャアで珍しく理解ができていいなと思った部分は、ハマーンに頭を下げたあと、ベンチでひとりしょぼくれている所ですかね。

ちょっと彼本人の地金が見えた気がします。

 

あとは、基本的にしょっぱい大人の仮面を演じていっぱいいっぱいなイメージですかね。

とくにその最たるものが。

レコアが消失したシーンで、

シャア「サボテンが花をつけている……」

この場面では既に終わってしまったことなのでどうしようもないですが、レコアの本当に求めるものを理解できていなかったし、歩み寄りも中途半端なくせに現実逃避しているのは情けなさに溢れていますね。

 

レコアさんは、男と女という妄執に囚われ、視野が狭くなったまま戦場へ向かいました

「この世には男か女しかいないのよ」

確かに生物学的にはそうかもしれないですが……それだけじゃないと思いますね。

彼女が本当に欲しかったものは、女としてだけでなく、人間としてのレコア・ロンドを正面から見てくれる人だったんじゃないかな……。

 

彼女もまた妄執に囚われて戦いに駆り立てられて消えた命の一つ。悲しいものがありました。

ままならぬものですが、この妄執というものは、取り除くことが難しいのでは?と思います。

それは、真のニュータイプと自称するシロッコハマーンでさえも自らの作り上げた、”世界はこうあるべき”という妄執に囚われていることから絶望的証左を感じます。感性よりも先に誰かが作り出した概念に飲み込まれている違和感といいましょうか……。

彼らはオールドタイプを見下しているわけですが、優位者が人類を導くという選民思想ティターンズと構造的に一緒なのは皮肉というべきでしょうかね。

 

それにしても、あの時代の主義って他者に変わってもらわなくちゃって話なのに 、みんな頑固すぎる。素直なのは死後の念だけ? 生きてる間にもっと分かりあおうよ……。

黒服だ女だ男だ宇宙だ地球だなんだと、みんな自己と他人の間に線を引くのが好きみたい。

誰も彼も、自分の考えが正しいと思い込んだ瞬間に恐ろしい凶行に走り出すんですよね。それが、戦争という暴力が肯定される世界では尚更で……。

バスク「一般将校は黙っていろ!」ドゴッ!

 

Zガンダムですが、思い返してみると、シャアとアムロが夕日をバックに再会する場面とか、共同参戦で理解しあっている部分なんかはとくに胸熱でしたね。

後々の逆襲のシャアでのやり取りを考えると、クワトロとして、ある意味失敗しても許される身分なのは確かに気楽っちゃ気楽かもしれないですね。

ジオンの大佐のころとか総帥のときは、失敗なんかできないですし……。

ダカール演説後はまたジオンの子としての重圧がまたのしかかってきましたが笑

もはや呪いですね。アムロに人身御供の家系と茶化されるのも納得。