ゴジラ対モスラではない、モスラ対ゴジラである。
これはゴジラVS映画の例に漏れず、モスラとゴジラのバトル映画である。
なんというか……興行至上主義への反発が随所に見られた。ゴジラを楽しみに劇場へ足を運んだ人々の後頭部をハンマークラッシュするような要素だけど大丈夫なのかな?
あと、ジャーナリズムへの期待があまりにも強すぎない?どうしてそこまで筆持つ者の良心を信じられるのか素直に疑問を抱いてしまった。(あくまで理想を描きたかったのかもしれない)
原水爆実験の余波を受けたモスラの故郷(例の如く英語を喋る南国の異民族が登場する)の惨状を見せつけられたり、原住民から現代社会の暗部を指摘されたり、興業者が内輪で殺人を働いたりと見ていて辛くなる要素が多かった。
そんな中で、さらに畳み掛けるように、原住民が神のように崇めるモスラをゴジラにぶつけて最後の命を尽きさせようとするのだから、正直なところ現代人って勝手すぎないですか? って思ってしまった。
「人間不信」というワードが随所に散りばめられているところから見るにその辺りの克服がテーマだったんだろう(推論)
バケモンにはバケモンぶつけんだよ。の精神でガチンコバトルする事になるモスラさんとゴジラさんだけど。
今作の両名はなかなかに造形が良い。
モスラがかわいい。
というか、モスラって何体かおるんやね。
成虫と卵。知らんかった。
あと今作のゴジラはほほ肉がプルプルしてて愛嬌が増してる。
これもまたかわいい。
演出
風や炎、煙などのマテリアル関連の演出がかなりよかった。
モスラの突風部分の演出についても、寄りだけでなく引きの状態でも戦闘の迫力を感じる要素だったと思う。
素直な感想
親モスラが最後の命を燃やし、卵を守りながらゴジラと戦う場面は心を打たれるものがあった。
それでも倒せないゴジラがあまりにも強すぎるという話ではあるけれども……。
あとは、今作ではモスラ側で死と継承のストーリーを描いているので、ゴジラという歩く脅威が完全に敵性を帯びているように思えた。恐ろしすぎ。